ソロ写真のみ!写ルンです 打倒!ぼっち自慢

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  • ぼっち自慢が苦手だ。人様の前で「ぼっちで過ごしてみた」と言える人間は、そもそも本当にぼっちなんかではないのだ。普段から自分の考えや興味やらを人に伝え、それを共有できる人間がいるからこそ、「ぼっち自慢」が成り立つのだ。

     

    実際のぼっちは、口には出せない。そもそも、ぼっち自慢でよく見かける、人混みやテーマパークなどに一人で出かけると言う行為。不可抗力で一人で行かなければならない場合以外は、結局、楽しんじゃっているじゃないですか。

     

    リア充の巣窟と呼ばれる「ディズニーランド」へ一人で行ったことがありますか?一人でインパ(ディズニーランドに遊びに行くこと)したことがある、酔狂なテーマパークマニアもなかにはいるでしょう。

     

    私の記憶の片隅にあるのは、中学の卒業旅行で、周りがグループ行動する中、バスがパークに到達した途端、同じグループの同級生が「ここで解散ね。〇分後に集合」と言って、目の前からいなくなったことだ。

     

    「えっ、なにこれ?新手の罰ゲーム」

     

    当時はそんな状況を実況できるようなtwitterみたいなデジタルツールもなく、携帯電話どころかポケベルも登場前の出来事で、誰も私のSOSになんて気づかない…。まあSOSって思う以前に、「やばい。今日ディズニーランドって親に言ってきちゃって、“写ルンです”持たされたけれど、撮ってくれる人いない」っていう緊急事態をどう乗り切るかに、頭を悩ませていた。

     

    学内から誰も同じ高校に進学していない、ましてや電車で一時間半かかる学校に逃げるように進学を決めた私が、逆の意味で最後の思い出作りの場で、大人になってから「実はさ、一人でディズニーランド見て回ったことがあるんだ」って、こうして書く機会に恵まれるとは。感謝せざるを得ない。あのグループの班長だった、クロマニヨン人のような顔の女生徒に。

     

    なんでも一人でできると思ったら大間違い。自撮り棒なんかなかった時代は、yes、マンパワー。パークですれ違った楽しそうなグループ、優しそうなキャストに声をかけ「写真撮って貰えますか」と“写ルンです”を差し出す。

     

    現像に出した写真を見て母が言った。「なんで全部ひとりで写っているの?」初めて、一人=孤独を感じた。なんでも一人でできると思ったら大間違い。世の中には一人ではできない事も多い。

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    RIZENE IKEMORI

    RIZENE IKEMORI

    ライター&脚本家。「絶叫2」(オリジナルホラービデオ)、グラドル浜田翔子原案・監督「一瞬と永遠」脚本担当。書籍やweb媒体を中心にライターとして活動。趣味はプロレス観戦。

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