2位じゃダメなんですか?

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  • かつて民主党が、自民党に代わって政権を握ったとき。事業仕分けで、蓮舫議員が放ったひと言が「2位じゃダメなんですか?」でした。

    次世代スーパーコンピューターに関して、「多くの国家予算を投入して世界1位が本当に取れるんですか?」「そしてそれは必要なんですか?」そんな議論だったろうと記憶しています。わたし自身がちょうど、独法でお仕事させてもらっていた時期だったので、連日バッサバッサとぶった切っていく蓮舫さんの姿は、より印象深いものでした。

     

    …となぜこんなことを思い出したかと言うと、政治に明るくないわたしが、語ろうってんじゃないんです。お友だちと話している中で「1位じゃないと意味がないよね」「世の中に影響を与えられないよね」って話になったから。

     

    日本一高い山ってなんでしょう?一番広い湖は?長い川は?これは誰でも答えられると思います。じゃあ2位は?3位は?人は1位以外、意外と答えることができないんです。現役力士の白鵬が、とにかく優勝することにこだわるっていう理由もよくわかる気がします。記憶に残るためには、記録にも残る必要があります。

     

    …とココまでは、数字で測れる分かりやすいものの話。

    これを日本酒で考えてみると多少ややこしいですが、白鶴、月桂冠、松竹梅、大関あたりがいわゆる大手主要メーカーと呼ばれるところです。お酒を飲まない人にも届くような巨大な影響力があるのは、これを含む上位10~15社じゃないでしょうか。

     

    いま日本酒は、ちょっとしたブームが到来していると言われています。それでも、世の中では酒離れが進み、国税局発信の資料を見たって実際に右肩下がりの斜陽産業であることは明確です。だからこそ、1人でも多くの人の生活に根ざした飲料になる必要があります。縮小した市場ではジャンルを問わず私物化、マニア化が進む現象が起きがちです。日本酒も然り。身近で小さい蔵を応援することは、呑兵衛冥利に尽きるし素晴らしいことですが、それだけでは産業全体が傾いていくばかりだと思うのです。

     

    日本酒には長い歴史があり、売上や出荷量にも多少の変動があります。口に入れるものだから、何かマイナスの要因があると一気に変動してしまい得る信用商売でもあります。その時に土台を支えるのは1位である確固とした理由や、人の心に訴えかける物語です。それは今後さらに加速し、国内外から求められるでしょう。

     

    まずは、それを求められるステージに上がらないことには話が始まりません。売上、出荷量、販売領域の広さ、出荷国数の拡大、利益を得ることは企業として当然のこと。大手メーカーや規模化する蔵を敬遠するのではなく、お酒好きなら産業や文化として丸ごと愛し、呑んでみるのも大切なことではないでしょうか。

    スーパーコンピューターの開発は他国に任せることもできるかもしれませんが、日本酒は日本独自の文化として当然残していきたいものです。

     

    気になった方のために…

    • 山 1位:富士山 2位:北岳 3位:穂高岳
    • 湖 1位:琵琶湖 2位:霞ヶ浦 3位:サロマ湖
    • 川 1位:信濃川 2位:利根川 3位:石狩川
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    TOMOMI

    TOMOMI

    日本酒ライター/コラムニスト/唎酒師。物語や記事の執筆、イベント企画など日本酒にまつわる様々な活動中。仕事も恋愛も0か100かの全力投球で、周りを困らせています。寒さに弱い北海道出身。

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